当社のメディアコンバータ(DN1800E、DN2800E、DN5810E、DN5800E等各シリーズ)をご利用中のお客様から、
「TX LK/Act(メタル側のLED) が点滅している」
「FX LK/Act (光側のLED)が点滅しているけど故障?」
「リンクアップしていないのに信号は来ているように見える」
といったお問い合わせをいただくことがあります。
実は、当社メディアコンバータの低速点滅は、故障ではないケースが大半です。
多くの場合は「Signal Detect(信号検出)」状態であり、設定や配線の不一致が原因となっています。
本記事では、低速点滅の意味と、故障かどうかを切り分けるための確認方法を整理してご紹介します。
低速点滅は「Signal Detect」の表示
DN1800Eシリーズ等の当社メディアコンバータは、UTP側や光側の LED が低速点滅している場合、 これは Signal Detect状態 を示しています。
Signal Detect状態とは対向機器からの信号は検出していますが、リンクアップ状態ではない 状態です。
つまり、
- ケーブルが完全に外れている状態ではない
- 対向機器からの信号は受信している
- ただし、正常にリンクアップする条件は満たしていない
という意味です。
低速点滅は、本体がまったく反応していない状態ではありません。
そのため、まず設定や配線条件を確認してください。
特に次のような場合に、低速点滅になることがあります。
- 対向機器との設定が合っていない
- Auto設定時に、UTP側または光側のリンクアップする条件がそろっていない(※1)
- LPT設定の条件が満たされていない(※2)
- 光コネクタの汚れや、UTPケーブル・RJ-45プラグの不具合がある
※1:Auto設定・・・オートネゴシエーション機能を有効にする設定です。メタル通信側で対向機器との通信モード(全二重/半二重)やPause状態(フロー制御)を自動的に認識し、最適な通信条件でリンクアップさせる設定です。
※2:LPT設定・・・「Link Pass Through(リンク連動)」機能を有効にする設定です。 メディアコンバータの受信側でリンク断を検出した場合に送信側の出力を停止し、相手側の機器もリンク断を検知できる設定です。
*高速点滅と低速点滅の違い*
高速点滅と、低速点滅は、1秒当たり何回点滅を繰り返しているかが大きな違いになります。
高速点滅は1秒当たり約3~5回点滅を繰り返しますが、低速点滅は1秒当たり約0.5~1回の点滅を繰り返します。
低速点滅の際、故障かどうか切り分ける手順
低速点滅が起きている場合、故障かどうかを見分けるための切り分け手順を解説します。
DN1800Eシリーズ等の当社メディアコンバータは、以下のLEDで低速点滅が発生します。
- TX LK/Act ・・・UTP側の状態をLEDで表示
- FX LK/Act・・・光側の状態をLEDで表示

①電源LED(Pow)が点灯しているか確認
まずは電源状態をご確認ください。
PowLEDが黄色点灯していれば、電源は入っています。
点灯していない場合は、
・ACアダプタがコンセントにしっかり差し込まれているか
・DCプラグが本体に奥まで入っているか
をご確認ください。

②設定SWの位置を確認
当社メディアコンバータの設定SWは型番により異なります。詳細は該当型番の取扱説明書をご確認ください。
例えば、DN1800Eシリーズの設定SWは3段階です。
・上:Auto & LPTあり
・中央:Auto & LPTなし
・下:1000M固定 & LPTなし
設定が合っていないとリンクアップしない場合がありますので、対向先機器の光側の設定に合わせて、本機も以下のように設定してください。

- 対向機器が光側Auto設定なら、本機もAuto設定
- 対向機器が光側全二重固定なら、本機も全二重固定設定
- LPTが必要ないのに上段設定になっていないか
③UTP側の接続を確認
UTP側のLED表示(TX LK/Act)が低速点滅している場合は、UTP側で信号は検出しているものの、正常なリンクアップに至っていない状態です。
その場合は、UTP側の接続、接続しているケーブルやコネクタを確認してください。
主な原因
- 接続先の機器の設定不一致
- 接続先の機器が全二重固定で安定動作していない
- 接続先の機器が半二重モードを含むネゴシエーション設定など相性要因がある
- Auto&LPTありの設定で、光側も含めたリンクアップ条件が満たされていない
- RJ-45プラグ接触不良やケーブル品質不良
確認ポイント
- 接続先の機器は 1000BASE-T対応等 準拠規格 が一致しているか
- 接続先の機器設定は オートネゴシエーション または 全二重固定 か
- UTPケーブルは Cat5e以上など接続機器の仕様を満たしているか
- RJ-45プラグは確実にロックされているか
- 別のUTPケーブルで再確認したか
④光側の接続を確認
光側のLED表示(FX LK/Act)が低速点滅している場合は、光側で信号は検出しているものの、正常なリンクアップに至っていない状態です。その場合は、光側の接続やコネクタを確認してください。
主な原因
- 対向先の機器との設定不一致
- 対向先の機器がAuto設定なのに、本機が100M固定や1000M固定設定になっている
- 対向先の機器が100M固定や1000M固定設定なのに、本機がAuto設定になっている
- Auto設定時にUTP側がリンクアップしていない
- LPT設定の影響で、リンクアップする条件が満たされていない
- 光コネクタの汚れや損失過大ではないが、正常なリンクアップができていない
確認ポイント
- 対向先の機器設定は オートネゴシエーション か 全二重固定 か
- 本機の設定SWが対向条件と合っているか
- UTP側も正しくリンクアップしているか
- 光コネクタ端面の清掃は実施したか
Auto設定時の注意点
光側のLED表示(FX LK/Act)が低速点滅している場合、Auto設定時は、光側のLEDだけ見ても判断できないことがあります。DN1800Eシリーズ等の当社メディアコンバータは、Auto設定時に、 UTP側と光側の両方の条件がそろってはじめて正常にリンクアップするためです。
たとえば、光信号を受信していても、
・UTP側の接続先機器の電源が入っていない
・UTP側がリンクアップしていない
・設定が一致していない
といった場合には、光側のLED表示(FX LK/Act) が低速点滅のままになることがあるため、 UTP側も含めて全体を確認することが大切です。
LPT設定時の注意点
LPT設定時は、通常よりもリンクアップの条件が厳しくなるため、 全体の条件がそろっていないと低速点滅やリンクダウンすることがあります。
また、対向先の機器や接続構成によっては、LPTが正常に動作しない場合もあります。
LPTが不要な場合は、一度 Auto & LPTなし または 100M固定 や 1000M固定 & LPTなし の設定に切り替えてご確認いただくと、切り分けしやすくなります。
※切り分け時の最終チェック
当社メディアコンバータが低速点滅している場合の最終チェック項目として、設定や接続条件が原因である可能性が高い場合と、故障である可能性が高い場合の2パターンを以下に記載しましたので、お問い合わせの前の最終チェックとしてご確認ください。
設定や接続条件が原因である可能性が高い場合の動作
- Powは正常点灯している
- 低速点滅しているが、LED表示は完全消灯していない
- 設定SWを変えると表示状態が変わる
- ケーブル交換や対向先の機器設定変更で状態が変化する
- Auto&LPTありの設定時のみ発生する
このような場合、Signal Detect表示であり、本体は受信自体はできている可能性が高いです。
機器故障や光トランシーバ汚損の可能性が高い場合の動作
- 正しい設定・正しい対向機器・正常なケーブルにしても改善しない
- 光コネクタ清掃後も状態が変わらない
- 予備機など正常品と入れ替えると本機側だけ再現する
- LED表示が仕様どおり変化しない
- 電源は正常でもリンク状態が不安定で改善しない
一方で、上記の場合は機器故障や光トランシーバ汚損の可能性があり、点検や切り分けが必要になります。
お問い合わせ時について
最後に、メディアコンバータの不具合や故障に関して電話やメールでお問い合わせいただく際は、次の内容をご連絡いただけますと、状況確認がスムーズです。お問い合わせの際に以下項目をご参照ください。
- 型番(例:DN1800GEなど)
- Rev / Lot / S/N(背面のラベルに記載されています)
- 低速点滅しているLED(TX / FX / 両方)
- 設定SW位置(上/中央/下)
- 対向機器の型番と設定
- 実施済みの確認内容(ケーブル交換、コネクタ清掃など)
あとがき
当社メディアコンバータの低速点滅は、すぐに故障を示すものではありません。 多くの場合は、Signal Detect状態として、 「対向機器からの信号は検出しているが、リンクアップ状態ではない」ことを表しています。
そのため、低速点滅を確認した場合は、
- 電源のLED表示(Pow)の確認
- どのLEDが低速点滅しているか確認(TX LK/Act、FX LK/Actなど)
- 設定SWの確認
- UTP側・光側の接続確認
- ケーブルやコネクタの確認
などを行っていただくことで、故障かどうかを切り分けやすくなります。
お困りの際は、当社担当者がE-mail、電話等で対応させていただきますので、LED状態や設定内容をご確認いただきお気軽にご連絡ください。